英国、不法就労摘発が過去最高水準 2026年上半期は逮捕4756人(前年比20%増) 内務省発表
本記事は複数の公開情報をもとに事実関係を整理したものです。逮捕・捜査段階の内容を含む場合、それは刑事手続きの一段階に過ぎず、有罪が確定した事実を意味するものではありません(推定無罪の原則)。起訴・不起訴・裁判の結果など、その後の経過について新たな情報が確認され次第、内容を更新します。本記事は特定の個人・団体・国籍・民族・思想信条を不当に貶める意図はなく、事実に基づく客観的な情報提供を目的としています。
英内務省(Home Office)は2026年8月19日、2026年1~6月の不法就労取り締まり実績を公表した。同期間の立ち入り調査件数は7270件で前年同期比31%増、逮捕者数は4756人で同20%増となり、いずれも同時期としては過去最高を記録した。同省はこの半年間を「不法就労の取り締まり活動として記録上最も成果を上げた年始」と位置づけている。制裁金は1238の事業者に対し科され、総額7400万ポンドを超えた。営業停止命令は10件、酒類販売免許等の見直しは55件だった。
業種別ではレストラン・テイクアウト・カフェが立ち入り2195件・逮捕1589人と最多。食品・飲料・たばこ小売が立ち入り1409件・逮捕389人、美容業が立ち入り1041件・逮捕648人で続いた。特に倉庫・物流・配達業は立ち入り635件・逮捕635人で、前年同期比で立ち入り147%増、逮捕70%増と急増が目立った。2024年7月から2026年6月までの2年間累計では、立ち入り件数は約2万5000件(111%増)、逮捕者数は約1万7000人(122%増)にのぼるという。
現在の状況: 摘発された不法就労者の国籍別内訳や、その後の退去強制の実施状況については本稿執筆時点で明らかになっていない。続報が入り次第更新する。
本件は日本と直接の関係はないが、不法就労の取り締まり実績を国が定期的に公表し、業種別・地域別の内訳まで開示する手法は、日本の警察庁・法務省による外国人犯罪統計の公表(関連記事)とも通じる論点であり、不法就労対策の実効性をどう可視化するかという観点で参考になる。
編集部の視点
技能実習制度は2027年4月に「育成就労制度」へと移行する予定であり(関連記事)、本件のような動きも、この移行過程における制度設計の一環として位置づけられる。受け入れ拡大を進める際には、送り出し国側の仲介業者問題や、受け入れ企業側の管理体制整備など、実務レベルでの課題も同時に解決される必要がある。制度が「絵に描いた餅」にならないためには、施行後の運用実態を継続的に検証していく視点が欠かせない。