米国でグリーンカード目的の偽装結婚1000件超、中国籍ら11人を起訴 米史上最大級と司法省
本記事は複数の公開情報をもとに事実関係を整理したものです。逮捕・捜査段階の内容を含む場合、それは刑事手続きの一段階に過ぎず、有罪が確定した事実を意味するものではありません(推定無罪の原則)。起訴・不起訴・裁判の結果など、その後の経過について新たな情報が確認され次第、内容を更新します。本記事は特定の個人・団体・国籍・民族・思想信条を不当に貶める意図はなく、事実に基づく客観的な情報提供を目的としています。
米司法省(DOJ)は2026年8月12日、中国人に永住権(グリーンカード)を取得させる目的で1000件超の偽装結婚を組織したとして、中国籍の11人を共謀罪(結婚詐欺・移民詐欺)などで起訴したと発表した。ブランチ司法長官は「米国史上最大級の偽装結婚事件だ」と述べた。起訴状によると、スキームは2016年から2026年7月にかけて展開され、コネティカット、マサチューセッツ、ペンシルベニア、ケンタッキー、テネシー、ジョージア、フロリダの各州に加え、中国国内やバヌアツでも偽装結婚が組織されていたとされる。
報道によると、偽装結婚を希望する外国人は仲介者に対し1件あたり最大約10万ドルを支払い、仲介者はこの中から結婚に応じた米国市民に最大約3万ドル、勧誘者には1人あたり最大約5000ドルの紹介料を支払っていたとされる。偽装であることを隠すため、婚姻届提出前に初対面で「偽の結婚式」を挙げ記念写真を撮影するなど、手の込んだ偽装工作も行われていたという。起訴された罪状はいずれも有罪となれば結婚詐欺・移民詐欺の共謀罪で最大5年、不法滞在の助長に関する共謀罪で最大10年の禁錮刑となる。
現在の状況: 11人の身柄の状況や公判の見通しについては本稿執筆時点で明らかになっていない。続報が入り次第更新する。
日本国内でも、永住権取得を目的とした偽装結婚のブローカー事件(関連記事)が過去に摘発されており、偽装結婚を悪用した在留資格の不正取得は各国共通の課題となっている。
編集部の視点
技能実習制度は2027年4月に「育成就労制度」へと移行する予定であり(関連記事)、本件のような動きも、この移行過程における制度設計の一環として位置づけられる。受け入れ拡大を進める際には、送り出し国側の仲介業者問題や、受け入れ企業側の管理体制整備など、実務レベルでの課題も同時に解決される必要がある。制度が「絵に描いた餅」にならないためには、施行後の運用実態を継続的に検証していく視点が欠かせない。