移民・共生
2026-08-20

スイス、北アフリカ系庇護申請者の80.5%が刑事訴追 他国籍平均の6倍超 SEM内部データ

タグ: 移民・共生 統計 海外事例

本記事は複数の公開情報をもとに事実関係を整理したものです。逮捕・捜査段階の内容を含む場合、それは刑事手続きの一段階に過ぎず、有罪が確定した事実を意味するものではありません(推定無罪の原則)。起訴・不起訴・裁判の結果など、その後の経過について新たな情報が確認され次第、内容を更新します。本記事は特定の個人・団体・国籍・民族・思想信条を不当に貶める意図はなく、事実に基づく客観的な情報提供を目的としています。

スイスの大衆紙ブリックおよびタゲスアンツァイガー紙は2026年8月20日、移民国務事務局(SEM)の内部評価と連邦統計局のデータを基に、北アフリカ(アルジェリア・モロッコ・チュニジア)出身の庇護申請者のうち80.5%が、手続き中または却下後に刑事訴追の対象となっていたと報じた。他国籍の庇護申請者全体の平均は12.3%で、北アフリカ出身者はその6倍超にのぼる。スイス国民の同水準は0.6%、常住外国人は約1%、ウクライナ避難民は1.9%とされている。

一方で、北アフリカ出身者の庇護申請の約99%は却下されており、保護が認められる見込みはほぼないという。SEM報道官は「北アフリカからの人々がスイスで庇護申請を提出しないようにすることが目標だ。彼らは保護の見通しがないままシステムに負担をかけている」と述べた。スイスは2024年、北アフリカ出身者向けに審査を迅速化する「24時間手続き」を導入したが、実際の平均処理日数は22日だったという。送還についても、北アフリカ出身申請者の約9割が身分証明書を持たずに入国しており、送還先への渡航文書の発行が難航しているとされる。

現在の状況: この統計は「訴追」件数であり「有罪判決」件数ではない点に留意が必要で、2025年の庇護申請者全体の96%はいかなる犯罪容疑にも関与していないとSEMは説明している。制度見直しの具体的な時期や効果については本稿執筆時点で明らかになっていない。続報が入り次第更新する。

本件は日本と直接の関係はないが、庇護・難民認定制度の運用実態や、出身国・地域別の統計をどう政策議論に反映させるかという論点は、日本の入管行政における国籍別統計の公表(関連記事)とも通じるテーマである。

編集部の視点

技能実習制度は2027年4月に「育成就労制度」へと移行する予定であり(関連記事)、本件のような動きも、この移行過程における制度設計の一環として位置づけられる。受け入れ拡大を進める際には、送り出し国側の仲介業者問題や、受け入れ企業側の管理体制整備など、実務レベルでの課題も同時に解決される必要がある。制度が「絵に描いた餅」にならないためには、施行後の運用実態を継続的に検証していく視点が欠かせない。

出典: Blick/Tages-Anzeiger
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