介護分野の特定技能1号を2万人拡大、育成就労の枠から振り替え 受け入れ停止の回避狙う 政府案
本記事は複数の公開情報をもとに事実関係を整理したものです。逮捕・捜査段階の内容を含む場合、それは刑事手続きの一段階に過ぎず、有罪が確定した事実を意味するものではありません(推定無罪の原則)。起訴・不起訴・裁判の結果など、その後の経過について新たな情報が確認され次第、内容を更新します。本記事は特定の個人・団体・国籍・民族・思想信条を不当に貶める意図はなく、事実に基づく客観的な情報提供を目的としています。
政府は2026年10月19日に開いた有識者会議で、在留資格「特定技能1号」の介護分野の受け入れ見込み数を12万6900人から14万6900人へと2万人拡大する案を示した。毎日新聞の報道によると、拡大分は2027年4月に始まる育成就労制度の介護分野の枠(3万3800人)から2万人分を振り替える形で、介護分野全体の上限16万700人は据え置かれる。
政府は、特定技能人材の需要が当初の想定よりも著しく高く、現在の配分のままでは2027年度後半にも上限を超える可能性があると説明している。すでに外食業分野では上限到達の見込みから新規受け入れが停止されており、介護分野でも同様の事態に至るのを避けるための措置とされる。一方、全国介護事業者連盟の幹部からは、数を付け替えるのは当初の見立てがずれていたということだ、との指摘も出ている。
関連して山下貴司法相は10月20日の閣議後記者会見で、特定技能1号と育成就労を合わせた2028年度末の受け入れ上限123万人について、見直しは考えていないと述べた。業界が求めるニーズをそのまま受け入れるわけではないとしたうえで、各分野の上限は産業需要や生産性向上、国内人材の確保策などを考慮して決めていると説明。上限を見直すような大きな経済情勢の変化はないとし、日本人の雇用機会を守り処遇の低下を防ぐ必要があるとの考えを示した。
現在の状況: 配分変更は政府案の段階で、閣議決定には至っていない。決定の具体的な時期については本稿執筆時点で明らかになっていない。続報が入り次第更新する。
同じ有識者会議では、医療・福祉施設の給食業務を「外食業分野」から「飲食料品製造業分野」へ移して受け入れを再開する案も示された。関連記事
編集部の視点
技能実習制度は2027年4月に「育成就労制度」へと移行する予定であり(関連記事)、本件のような動きも、この移行過程における制度設計の一環として位置づけられる。受け入れ拡大を進める際には、送り出し国側の仲介業者問題や、受け入れ企業側の管理体制整備など、実務レベルでの課題も同時に解決される必要がある。制度が「絵に描いた餅」にならないためには、施行後の運用実態を継続的に検証していく視点が欠かせない。